琥珀の望遠鏡〈上〉?ライラの冒険IIIフィリップ プルマン
いよいよ佳境ライラの冒険シリーズ完結編。
少女ライラと少年ウィル。
異なる世界の住人だった二人は出会い、ともに冒険をした。
ウィルは、いなくなったライラを探しに。。。
天使や魔女、神(オーソリティ)まで登場し、物語はいっそう
緊迫感を増します。
前作までに登場したライラの友達ロジャーや白熊イオレクなど
もう登場しないかも、と思っていた人も再び活躍。
不思議な生き物もたくさん登場するファンタジーですが、
もっとも不思議なのはライラの両親です。
敵なのか、味方なのか、どんな人なのかまったく謎。
個性の強い一家です。
「児童文学」を超えた深みのある作品
三部作の完結編です。
ここまで読んで初めて、この本の深さ、素晴らしさを知った感じです。それまでは、畳みかけるようなイベントの連続に、物語の面白さだけに目を奪われていたように思います。
アダムとイブの物語の再構成を、ものの見事に成し遂げていますし、その裏にある無神論的な考え方もはっきりと伝わってきます。
「キリスト教徒だったときは、メアリーも自分がなにかにつながっていると感じていた。ところが、教会を去ってみると、目的のない世界の中で、自分がときはなたれて自由で軽くなったように感じた。」
抑圧する教会の秩序に対して、そこから離れた自由を希求しています。これこそが、この作品の言いたいことでしょう。しかし、全く否定しているようにはみえません。「なにかにつながっている」と言う安心感をもたらしてくれるものとして、それは肯定されています。でも、それ以上の熱狂的な狂信性は排除しています。この点については、まさに、現代的な問題でもあるように思います。
それと、メアリーに「善人と悪人がいるんじゃないと信じるようになったの」と言わせているように、「善」と「悪」というのは、行いについて言えることであり、個人の中に「善」と「悪」の要素があるというのです。従って、この作品に登場する人物は、敵味方問わず丁寧に描かれています。
そして、この「親のいない」子どもの成長ストーリーは、周りの温かい視線の中で順調に育って行きます。
「児童文学」と言う言葉では、捉えきれない深みのある作品でした。
それぞれの世界で
~いくつもの世界をまたにかけたライラの壮大な旅は死者の世界にまで及び、魔女や天使まで巻き込んだ戦争に発展してしまいます。あまりに強烈な個性のアスリエル卿とコールター夫人に加えて新たに登場するキャラクターもユニークで、一見醜くても読み進むうちに愛すべき存在になります。最悪に思われたライラの両親が最後にしたこと、ライラとウィルの苦渋の末~~の選択、それぞれの世界のあるべき姿、深く考えさせられることばかりです。死ぬとその後どうなるか、は天国の咲き乱れる花の中で暮らすというより、私の中では受け入れやすいものでした。大人が読んでも満足できる作品です。~
琥珀の望遠鏡〈上〉?ライラの冒険III
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琥珀の望遠鏡〈上〉?ライラの冒険IIIフィリップ プルマンいよいよ佳境ライラの冒険シリーズ完結編。
少女ライラと少年ウィル。
異なる世界の住人だった二人は出会い、ともに冒険…