著者の先見性の鋭さは前著、前々著に顕れているといえる
但し、その全てが的中しているかというと著者も御自身で指摘しているように部分的には外している箇所があることも事実であり、その点は注意が必要だ
本書は今後の相場を読み解くためのヒントとしては有意義なもであり、是非とも多くの個人投資家に一読していただきたいものである
ただ言うまでもないことだが、鵜呑みにすることは厳に慎むべきだろう
著者自身も経験されているが、他者の発言の言いなりになって良いことなど一つもない
これでもしも著者の発言を鵜呑みにして損をすることがあれば多くの方がきっと著者を地に落とす発言をされるに違いない
そのようなこと自体が非常にみっともないことだし、日本国内の個人投資家のレベルを露呈することになる
老婆心ながら著者がここ最近のトレンドを見事に的中させている部分があり、その発言がたいへん魅力的だからこそこのような注意が必要になると私は思う
また本書の内容に対する私見をいえば、少々論拠に乏しく飛躍している箇所も散見される
たとえば日本は技術立国だから他の先進国に先んじることが今後可能であるというのは短絡的すぎるように私は考える
たしかに日本が技術立国であることに疑う余地のないことだが、しかしながらその一点を持って日本株の戻しを語るのは片手落ちではないだろうか
私が思うには著者のおっしゃるとおりの値動きをするとして2004年の7607円近辺まで落ちた株価が歴史的な割安水準にあり、それに比して下落基調が続く中で相場が総悲観という絶好の買い場となった前提があるからこそ上昇トレンドへの転換が確保されるのである
その中で台頭してきている新興国の戻しと相俟って技術立国としての日本の存在が生きるという方が自然だと思うがいかがだろう
この主張では日本株の値動きは著者の主張を踏襲しているが、新興国の株価と日本株のリンクが生まれるという部分がアジア株等新興国は下落基調が続くというニュアンスを含ませている著者とは異なる
もちろん私の主張が外れることも十分有り得るが、一定の説得力は保てていると思う
そうであれば著者の主張を鵜呑みにせずに各人が自分の頭で相場を読み取ることが重要であることが見えてくる
本書をヒント以上に信奉すべきではない
サブプライム問題を予測した筆者が、本書において、中国、ロシアのバブルの崩壊を予測する。短期的視点はなく、歴史の流れの中に相場の本質を見る実践的な経済指南書で、説得力に富む。ただ、頭で理解はできても、毎日の生活の中ではなかなか長期的視点に立った資産の運用はできないのだが・・・。金投資で先鞭をつける筆者の洞察力と忍耐力には敬服する。
「アメリカ経済」「世界バブル経済」に続く、短期集中型の終わりの始まりシリーズ3作目は「無法バブルマネー」で読書慾をそそるネーミング。世界経済は大方、松藤氏の予測した方向で推移してきている。
とくにサブプライム問題ーモノライン問題は、まだ現在進行形。日本人ではいち早く問題指摘をし、ニューヨーク株の下落を訴えた先見性に改めて敬意を表したい。前書のレビューでも書いたが、松藤氏の凄さは自分で金鉱山会社を経営していることと、巷のアナリストと違って信念と品格が備わっていることだと思う。
サブプライム問題では現地調査を含めて丁寧に解説してある。
金(ゴールド)価格もこれまでのところ氏の予測通りだ。氏はこれからも金価格は上昇を続け1トロイオンス2000ドル位まで上昇しそうと、世界で有名な投資家や数々のチャートを用いて力説している。
只、これまで闇の中だったサブプライム問題の損失がここへ来て急に明らかになり始めると同時に、金価格は最高940ドルで跳ね返される状態となり、ニューヨーク株も12000ドル台のレンジ相場になっている。結論から言って、グローバル経済の欠点が生んだ「詐欺まがいのサブプライム」は、グローバル経済の長所である世界中央銀行の協調性によってニューヨーク株は大崩せず、恐慌など起きないのではないか?ドル覇権が後退しているのはもちろん事実であろう。
氏の言うアメリカと、同じ住宅バブルのイギリスはこれから長い不況を迎えるのだろう。氏はドル円為替についてドル高を予測しているが、その根拠が薄いと思う。経済の法則通り、相対的に弱い経済の国の通貨は安くなると思うので、逆に円高と見るのが自然だろう。
長いデフレに苦しんだ日本がサブプライムにほとんど手を出せなかったのが幸いし、さらに氏の言う通り日本の技術力が見直される時代が巡ってきたようだ。氏は中国とロシアは信用できないとしているが、小生はこれからは従来のアメリカ、欧州に加え、中国、ロシアにこそ新たなビジネスチャンスが在ると見るし、実業界はもう動いている。
それにしても現場主義の松藤氏の予測には切れと説得力がある。無法バブルマネー終わりの始まり──「金融大転換」時代を生き抜く実践経済学
著者の先見性と危うさ
著者の先見性の鋭さは前著、前々著に顕れているといえる
但し、その全てが的中しているかというと著者も御自身で指摘しているように部分的には外して…