トランクの中の日本

時代

トランクの中の日本―米従軍カメラマンの非公式記録ジョー オダネル

「焼き場にて」の衝撃

背に負った幼い弟は、眠っているのではない。
傍らに立つ米兵カメラマンが即座に立ち去りたいと思うような異臭の中で、指の先まで伸ばして直立不動の姿勢で焼き場の炎を見据える少年。
この写真を見て、かの少年と同じ年齢になる現代の子供たちは何を感じるだろうか。

60年余りの歳月を経て、彼の目に今の日本はどう映るのだろう。

写真と文章が生かし合い、伝えてくる

 アメリカの従軍カメラマンが、私用カメラで原爆投下後の広島や長崎を撮影し一冊にまとめたのが、この写真集である。すべてを吹き飛ばされてしまった町、苦しみを抱えながら暮らしていく生存者など、さまざまなモノクロ写真が戦争による生々しい惨状を伝えてきた。
 幼い弟の屍をおぶった直立不動の少年の写真「焼き場にて」には、目が釘付けにされた。有名な写真だけある。はじめ、背中の弟はその安らかな表情に、眠っているのかと思った。このような写真に、解説文は読者にとって大きな助けとなる。
 本書が伝える内容の半分は、テキストによるものだろう。写真解説に綴られたオダネル氏の撮影当時の気持ちを読みながら「戦争って何なのだろう」と思った。氏は、戦争中も「人としての」まっとうな心を失わずにいたのだろう。彼が選んだ被写体からも、文章に綴られた彼の動揺からも、オダネル氏の日米の壁を越えた人間的な温かみが伝わってきた。

 レイアウトもとてもよかった。見開きの2ページに写真とテキストの1セット。写真は大きく、ほどよく余白を生かしたテキストなど、見やすく読みやすく、美しい本である。

焼き場の少年が見た「戦争と虚栄、そして現実」

オダネル氏は戦争中、私の地元に撮影に来られたことがあるそうです。

たまたまそれを知り、たまたま地元の写真展でオダネル氏の作品を拝見する機会があり
足を運びました。

焼き場に気をつけをして立つ少年。

この写真のチカラとメッセージ、実際に目にした時、身体の震えが止まらなかったのを
覚えています。

今一度、戦争とは、原爆とは何だったのか。
考える機会をくれた作品でした。

この本はなかなか実際に見る事が出来ないオダネル氏の作品と、その背景を知るには
充分な本だと思います。

私達が忘れてはいけない真実が刻まれています。トランクの中の日本―米従軍カメラマンの非公式記録

耳が痛い 耳鳴りがする

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背に負った幼い弟は、眠っているのではない。
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