世界でもっとも美しい10の科学実験

歴史

単なる実験の解説書ではありません

「こういう本があるんだな」というのが一番の感想。
この本に出会えて本当によかったと思える一冊である。

ひとつひとつの実験の原理や結果を理解していくのは、確かに面白いが、同時に、
その実験が「美しい」と感じられる所以を、著者と、そして訳者の緻密な文書
から読み取る楽しさがある。

個人的には、第10章の単一電子の量子干渉は、鳥肌が立ちっぱなし。

読み終わったあと、なぜか美術館にいってみたくなりました。

科学の実験は、芸術であり、職人芸である

書名に惹かれて手にとって見た。著者のクリースは初めてだが、訳者の青木氏はサイモン・シンの『暗号解読』を読んだことがある。原著の内容を十分咀嚼した上で訳出されているので、ちゃんとわかる日本語になっているのがよい。

さて本書は、科学雑誌で募集した「美しい実験」で上位にランキングされたものを、その実験方法や実験者の人となり、当時の社会背景などを織り交ぜながら、科学の実験の「美しさ」を考察するものである。

取り上げられている実験は、

 ・ガリレオのピサの斜塔の実験 →重さに関わらず落下の速度は同じ
 ・ニュートンのプリズムの実験 →白い光は多数の色の集まりであることを証明
 ・ヤングの二重スリットの実験 →光は波であることを証明

などなど。それまでの社会の常識を変えたエポックメイキングな実験ばかりで、科学史としてもたいへん興味深く読める。

主題である「実験の美しさ」とはなにか。
ひとつは、科学の実験は職人芸のようなものである、ということ。注意深くノイズを取り除かなければ対象の真の姿は見えない。材料があれば誰にでもできる、というものではない。もうひとつは、シンプルで直感的な実験を考案するのは、それ自体が芸術と同様、属人的な創造的行為である、ということ。

中世までは科学者のことを自然哲学者といった。哲学と宗教と科学は(日本では全く意識されないが)西欧では非常に密接な関係をもっていて、例えば、学校で進化論を教えるのはいかがなものか、というような議論があるように、いまでもなおせめぎ合っている。科学の「美しさ」もその背後にはアリストテレス以来の論争があるようで、その深さに感じ入った。

美しい科学実験とは?

中学?高校の科学(物理)知識があれば、本書で取り上げられている科学実験のほとんどを
理解できます。
ガリレオ、ニュートン、フーコーなど単に教科書では現象の科学的説明と法則の導出に
とどまっていたものが本書により、時代背景から主人公の生い立ち、その実験を
しなければならなかった必然などがストーリーとしても面白く読めます。
特に実験系に携わっている人なら、美しい実験と言われてイメージするものが
あるかと思いますが、本書には過去の偉大な実験の中でも特に代表的なものが
取り上げられており、科学の広がりと奥深さを感じることができるのではないかと
思います。
前半部の実験は小学生からでも読んで理解が可能であり、また理系の大学生であれば
科学実験の美しさの一端に触れるためにも、全般を通読していただきたいと思います。
お勧めの書です。世界でもっとも美しい10の科学実験

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